募集内容
今期は自由なテーマを提示していただく形としますが、特にこちらから指定するテーマに関してリサーチを進めていただける人を優先します。建築情報学の基礎構築に寄与しうるものであれば新規のテーマでも構いませんし、過去の研究生のリサーチテーマを引き継いでも構いません。
現時点で先行してリサーチを始めている必要はありませんが、何らかの先立つ知識や実績がある人を優先します。それらのリサーチの成果物を研修期間後に個人の論文等に発展的に応用することはもちろん構いません。
第7期 リサーチテーマ
– 建築情報学に関わる言葉の定義や意味的関係性 –
「コンピューテーショナル・デザイン」「アルゴリズミック・デザイン」「ジェネラティブ・デザイン」その他多様な言葉が使われている昨今のデジタルデザイン環境における、それらの言葉のルーツや定義、意味するところの関係性などのリサーチ
それぞれの言葉の辞書的定義、もしくは包含関係などの図示を試みる。
EaR 論文研修生とは
日本でも急激に存在感を増しつつある建築におけるデジタル技術の発展的な応用可能性に関して、理論、実践両面から研究を進め、体系的な基礎を構築することが急務となってきている。しかし日本建築界の実情として、大学をはじめとした研究機関、設計及び施工にかかわる民間企業いずれにおいても、リサーチや理論的な体系化という面に重点を置いている機関はまだ少ない。既に実務においても情報学的な側面が不可欠となっている現状を鑑みると、非常にアンバランスな状況だといえる。
建築の情報学的な基礎を体系化することを念頭に、特に理論や歴史といった学問的なアプローチがまだ大学等においてあまり進んでいない現状に対して、所属する機関では専門の指導ができる教官がいない、もしくは十分な資料へのアクセスがないといった環境にあるが、具体的な研究テーマの探求を志向する学生もしくは研究者に必要な場と資料、ネットワークとを提供し、かつ相互に有意義な議論の場を設ける目的で、EaRでは2014年度より定期的に論文研修生を受け入れる。
目的
- 建築の情報学的な研究を促進し、体系的な学問分野としての基礎を構築する。
- 国内外の実務者および研究者間のネットワークを拡充し、情報の共有を図る。
- 数年以内の建築情報学の基礎的な教科書となりうる概論のとりまとめを目指し、どの教育機関でも基礎的な講座が設けられる状況をつくる。
- 研究対象として建築情報学に寄与する分野に興味があるものの、現状でその研究内容を深めることが困難な状況にある学生、研究者に研究環境を提供し、研究を助成する。
- 研究成果を一般に公開し、情報の共有を促進する。
概要
- EaR(ノイズの運営による建築のデジタル技術の可能性を探る非営利活動)の活動の一部として、EaRメンバー、EaRフェロー、その他当該分野の専門家のネットワークにより運営される、調査研究活動の助成活動。
- 定められた期間を限度に若干名の論文研修生を受け入れ、研究環境の提供、指導を行う。
- 定期的な研究会(2週間に一回程度)を設け、研究に対するアドバイスおよび指導を行う。所定期間の終了後には、成果をレポートもしくは論文の形でとりまとめ、EaRメンバーと共有の上特殊な状況のない限り公共の閲覧(原則としてEaRウェブサイトでの公開)に資するものとする。
- 定例研究会には原則として現地参加(会場:ノイズ東京オフィス)するものとし、一部事情により参加が難しい場合はオンライン参加も認める。
- 定期的な研究会への参加が十分でない、研究テーマに一定期間を経ても進展がない等の場合には、EaR事務局の判断により資格を停止することがある。
- 期間中のノイズにあるEaRライブラリへの閲覧および貸出し、EaR作業スペースの利用、必要な資料の購入申請が可能となる。
- EaRメンバーおよびフェローによる指導およびアドバイス、関係者の紹介等を行う。
- 特別に価値を認められた場合には、一定額までのリサーチ補助金の提供(研修生のみ、事前申請と許可を受けるものとする)を行う。
- EaR研修生の活動はノイズの設計活動とは関わらない独立の活動である。
- EaRはあくまで環境の提供および指導を行い、論文における共著者等のクレジットは求めない。また論文の内容に関する責任も負わない。
- 応募者が既に何らかの研究教育機関に属する場合は、事前に所属機関の責任者に十分に内容を説明の上、書類にて許可を受けた上で参加するものとする。
- 使用言語は日本語もしくは英語とする。
※ EaR論文研修はモデリングの指導やWebサイトの制作など個人の技術的なサポートをするものではありません
※ EaR論文研修は大学の修士研究や卒業研究を技術的にサポートするものではありません(但し、EaRの成果物を修士研究や卒業研究の一部として扱うのは構いません)
※ 成果物は研究の中間的な内容で構いませんが、提出・共有することを条件とします
期間
- カテゴリーI: 3か月
- カテゴリーII: カテゴリーIを二期連続で行う(テーマとして長期のかかわりが必要な場合)
- 研修期間: A期(6-8月)、B期(10-12月)、C期(2-4月)の年三期
- 募集期間: 各研修期間に先んじる月の1-25日
資格
- 建築情報学に資する具体的な研究課題を持っていること。
- 現状で研究に必要な資料、環境へのアセスが制限されていて、研究の発展的な展開に不利な状況にあること。またそれが本研修生となることにより改善が見込まれるもの。
- 最終的に学位論文以上の形で取りまとめることを意図しているもの。
- 日本および世界の建築の未来へ資し、技術、デザインの発展に寄与する意図の明確なもの。
応募要項
- 下記応募フォームの所定のフォーマットに必要事項を記入し投稿のこと。
- 第7期生(2016年6月-8月)
募集期間:2016年5月9日~25日
募集締切:2016年5月25日24時 - 審査はEaRにより厳正に行い、5月31日までにEaRウェブサイト上で公表の上、メールにて各個人に告知する。
- 募集人数は若干名